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迷宮の都フェズ [モロッコ]

さて、モロッコといえば、映画にもなったカサブランカが有名ですが、
マラケシュと同じく、メディナ(旧市街)が世界遺産であるフェズも有名です。
とにかく、フェズのメディナは世界で一番大きな迷路といわれ、
この旅では、そのメディナ観光もとても楽しみにしていたのです・・・

前夜、埃っぽい砂漠地帯から、ようやくそのフェズに辿り着いたわたし達は、
久しぶりに街中にあるホテルに宿泊し、お風呂にゆっくり浸かり、
長距離移動の疲れを癒したのでした。
そして、ぐっすり眠ったあくる日は、いったい何時だったのでしょう?
何処からか大音響で聞こえるコーランによって起こされたのでした・・・

イスラム圏を旅していると、
早朝と夕方には必ずスピーカーから流され聞こえるコーランですが、
この時はきっと、スピーカーがホテルのそばにあったのでしょうね。
それまで聞いたこともないような大きな音で飛び起きたのを覚えています。

そしていよいよフェズ観光に出掛けたのですが、
先ずは、メディナの広さを知ろうと、高台から見下ろすことになり、
この写真の右上に写る丘を目指したのでした。

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とにかく、世界で一番大きく、周囲は10km以上あるそうです。
それがすり鉢状になっており、細い通路がひしめき合って車など到底入れず、
いまだにロバや馬が貴重な輸送手段です。

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ところで、わたしは旅をしても、むやみやたらにお土産は買わず、
自分の思い出のために自分が本当に気に入った物しか買わない主義ですが、
この旅でも、ガイドの「手工芸品を買うなら本場のフェズで!」との言葉を信じ、
途中にあった、お土産物屋さんの品には一切目もくれずにいたのです。
ですから、丘からメディナへ向かう途中でバスが立ち寄った、
セラミックの工場兼職人の養成所でもあるというこちらをとても楽しみにしていました。
それで先ずは、粘土から絵付け、
また、モザイクタイルが出来上がるまでの工程を見学することになり・・・

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こちらは広い部屋でただひとり・・・
何故か?一段高い所に上がりロクロを回す青年、確か17歳だと言ってたような?


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大きな壺の絵付けの最中、
まだ若い男の子や女の子が一心に細い筆を動かせていました。


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↑これが絵付けされたお皿、ここからまだ焼きがあり、
↓こちらが出来上がり!
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そしてこちらはモザイクタイルの丸いテーブルを製作している様子ですが、
地面に下絵を描きその上に色ごとに分けて周りに置かれた紙袋の中のタイルを置いていきます。

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モザイクタイルは四角く焼き、それを砕いて小さくするのではなく、
鋭利な刃物で小さく削るそうです。
ですから、その小さく削るのも熟練の技が必要なんですね。
ただこの後、綺麗に並べたタイルをどうやって形にするのかを聞きそびれ、
いまだに残念に思っているのですが・・・

そして、見学後はお決まりのショッピングタイムとなったのですが、
こちらは陶器ばかりで、普段使いのものは和食器の方が使いやすいし、
第一に、われ物だけに道中が不安だしと、結局は気に入ったものもなく、
買ったのは小さな壁に掛けて使うバブーシュ型の花瓶だけでした。

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そうやって、バスの中からメディナを出るまでガイドが嘆願するように繰り返し言った、
「迷子にならないように、絶対に離れないで下さいね!!」との言葉を聞きながら、
ようやくこのブー・ジュルドー門をくぐったのでした・・・

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ブルーのタイルで彩られたこちらが表側で、
裏側はグリーンのタイルです。

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そして先ず、門から歩いて数分のところにあるブー・イナニア・マドラサ(神学校)へ・・・
こちらは14世紀にブー・イナニア王が建てたコーランを学ぶ学校で、マリーン朝最大の神学校です。
大きな木の扉から中に入ると大理石を敷き詰めた中庭があり、
その見事さに驚きながら、壁面に目を移すと、
細かな彫刻や漆喰、それに幾何学模様のモザイクタイルやステンドグラスが美しく、
この学校自体が一つの芸術作品のように思えました・・・

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反対側のステンドグラスに陽が当たり、綺麗な模様が浮き出ています。


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そして次を目指して通りへ出て前へ進んだのですが、なかなかスムーズには歩けません!
というのも、こんな狭い道に人はイッパイで、それに加え、ロバも通るし馬も通る!!
それゆえ、その子たちの落し物にも注意しつつ下を見て歩かなきゃいけません!
ましてや、観光客とみると何処からともなく怪しい物売り連隊も現れ、
ウルサイったらありゃしない!!
でも、ここあそこと間口の小さなお店が並び、
わたしはあっちを見たりこっちを見たり、はたまた下を見たりと忙しかったのでした・・・

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子供服も揃って、アラブ調のカットソーが豊富なお店


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どうもスイーツが多そうだけどレシピ本を並べた本屋さん


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こちらは珍しい墓石屋さん


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窯焼きのパンがとても美味しかったパン屋さん
こちらはTV「世界ふしぎ発見」でも紹介されていましたが、
通常は、各家庭からパン種を持ってきて、ここの窯で焼いてもらうそうですね。


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そして何度角を曲ったでしょう?
ぐんぐん奥に進んで、益々道は狭くなり・・・つづく

あしあと(12)  コメント(19) 
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あしあと 12

コメント 19

kaotan

コーランと言い、ロバと言い、見学後のショッピングといい、
今年2月に行ったエジプトと似ていますね~。
ひらべったいパンも♪
モザイクがとてもきれいです。
エジプトよりは少し洗練されているイメージですが
どうなんでしょう???
by kaotan (2010-09-15 14:19) 

よしあき・ギャラリー

なるほど、これは迷子になったら大変ですね。^^
by よしあき・ギャラリー (2010-09-15 14:24) 

たいちさん

確かに迷子になりそうな街ですね。でも雰囲気ありますね。
by たいちさん (2010-09-15 16:17) 

collet

★kaotanさんへ
エジプト旅行をされたんですね!
わたしはエジプトは知らないので、ハッキリとした違いはわかりませんが、
同じイスラム圏だし、サハラ砂漠の東端のモロッコに対し、
エジプトは西端になるしで、 似てるのかもですよ。
で、モロッコが少しだけでも洗練されてるとしたら、
ジブラルタル海峡を挟んで目の前が欧州からかもですね(?_?)


★よしあきさんへ
大変ですよ~~!!
とにかく、フェズだけ道案内人が付きましたから~(^^ゞ


★たいちさんへ
迷子になっても、何処かに出られるとは思いますが、
ここだけは、写真を撮ってて置いてけぼりにならないよう注意してました~(~o~)
by collet (2010-09-15 17:23) 

gwan3

ステンドクラスでできた模様、niceですね。
「そこかいっ!」って言われそうですけど、妙に惹かれました^^
by gwan3 (2010-09-15 21:32) 

dolfin

まだモロッコの話あったんですねー(^^ゞ。
建築様式がすごく違うから、外国なんだなーという感じがすごくします。
もうすぐ、3連休ですね。自分は、旅行の予定はないけど、それ以外のことで楽しみを見つけたいと思いました(^-^)。
by dolfin (2010-09-15 22:41) 

maki

欧米の街並みはあちこちで紹介されて見慣れているし、やはりこれだけ違うとエキゾチックですよね~

モロッコの通販サイト運営者がやっているブログに「どこを撮っても絵になる」とうたわれていますが、本当に独特な味わいがありますよね^^
行ってみたいわ~
モロッコ♪

陶器のバブーシュが面白いですね。
一瞬スイスで売られてる木靴を模したお土産かと思いました。
かかとを潰しただけで、あとはほとんど一緒かも(笑)
by maki (2010-09-15 23:13) 

まぐろ

2枚目の写真、すごい!すごい!すごーーい町の景色の写真ですね。写真で見るだけでも圧倒されました。
私、実はあのアラブ圏の何とも言えないエキゾチックな雰囲気に昔からとても魅力を感じでいましてこういう写真を見るとゾクゾクするくらい自分の思い入れを感じます。
でもまだ行った事がないんです。
多分昔、子供のころ「王家の紋章」とかいう漫画が好きで、その後さらにアラブ関係の本を読み漁ったからかもしれない。
モザイクも本当に素敵です。
by まぐろ (2010-09-16 04:34) 

collet

★谷山さん、初めまして!お立寄りありがとうございます~^^;

★gwan3さんへ
いえいえ、とんでもない!!
わたしもステンドグラスの光がお気に入りでして~~(#^.^#)
そう言っていただけて嬉しいです~~♪
by collet (2010-09-16 13:19) 

collet

★dolfinさんへ
いや~すみません!まだもう少しあるんです~(^^ゞ
お付き合いどうもありがとうございます!

>もうすぐ、3連休ですね
ああそうですね。でもわたしには関係ないです~(T_T)
ようやく動きやすくなったし、何処かへ出掛けたいですね~~


★makiちゃんへ
この時のモロッコ旅行はmakiちゃんのモロッコ好きに後押しされたようでもある!?
ああでも、今思うとツアーで行って良かったです。
個人では行きにくい砂漠地帯へも行けたし・・・

>かかとを潰しただけで、あとはほとんど一緒かも
わたしも同じことを思ってたの~~(~o~)
陶器ということで、厚みもあるしね!
ああそれにしても、今は一つだけが手元にあるけど、
もう一つは何方に差し上げたのやら?すでに覚えがないわ~~(>_<)
by collet (2010-09-16 13:44) 

collet

★ゆずさんポチッとありがとうございます~^^;

★まぐろさんへ
世界各地を旅したまぐろさんが、
アラブ圏には足を踏み入れてないというのが意外ですが、
前にも言ってたように、オタクからだと時間も掛からず出掛けられそうですね。
このフェズやマラケシュだけでもお出掛けになっては?
それだけでも充分モロカン気分に浸れますよ~~(^^♪
by collet (2010-09-16 13:57) 

雀翁

確かに早朝モスクから聞こえる呼び込みのコ-ラン、たまりませんね。でも、慣れてくるとあれが以外に癖になってくる?んです。

強烈な市場ですね。ガイドさんの「絶対に」のお願いもよくわかるような気がします。はうれたらもう2度と生きては巡り会えないかも知れません。遠く南アフリカの金鉱へ売られたりして...「スリに注意」の警告はなかったんでしょうか。私なら、かばんを前にしっかり抱えて歩きそうです。

ブ-ジュルド-門、とても素敵ですね。この青いタイル、好きです。ポルトガルで青いタイル意を見て以来、とても気になります。あの辺は、昔は文化圏が同じ時代もあったような。

by 雀翁 (2010-09-16 19:48) 

Bonheur

焼き物も町中もカラフルで、楽しそうですね。
by Bonheur (2010-09-16 21:41) 

Rei

こんにちは^^
わぁ~、素敵な異国の地のお写真にうっとりです*^^*
ステンドグラスが陽にあたって、模様が浮き出ていますね、ステキ☆
絵付された絵皿も芸術的ですね~(∇〃)。o〇○
by Rei (2010-09-17 13:53) 

collet

★雀翁さんへ
>慣れてくるとあれが以外に癖になってくる
あはははは・・そうですね、何事も慣れですからね。
それにコーランって、ゆったりとした流れなので、
大音響ではなく普通に流れてる分には気になりませんね(^^ゞ

スリの注意はなかったように思います。
とにかく、専属の道案内人が付くほどですから、
はぐれたら間違いなく迷子になると思いますが・・・

ポルトガルやスペインはモロッコとはご近所なので、似ているかもですね。
そういえば、「世界ふしぎ発見」で紹介していましたが、
毎日、モロッコからスペインまで通勤してる人がいましたよ~(^^ゞ


★Bonheurさんへ
そうですね、いろんな文化に彩られ、街中に溢れる色も多色でした。
中でも、雀翁さんがお気に召したブルーが綺麗でした~~(*^^)v

by collet (2010-09-17 14:02) 

collet

★Reiさんへ
いろんな所でいろんなステンドグラスを見ましたが、
こんなに綺麗に模様が浮き出たのを見たのは初めてでした。
模様が繊細ではなく、どちらかというと大雑把に描いてるのが良かったのか?
わたしも実際にこの目で見た時は、感動しましたよ~~(#^.^#)
by collet (2010-09-17 14:13) 

シェルティ

こんばんは!
先日bsの「世界街歩き」でフェズをやってました。
おおー!ここ知ってると思って見ていました。
以前のcolletさんのblogで紹介されていた
革のナメシ工房のカラフルな丸い鉢がいくつも写っていました。
そして、臭いからミントの葉を手渡すとも。
↑知ってたぞ(笑)
機織りの工房では、フェズブルーの綺麗な布が織られていました。
あの青は、フェズブルーというそうな。
この番組、多分再放送有りですよ。
時間があったら見てくださいね。

私もモロッコへ行きたいよ~
トロッコでなく(笑)
by シェルティ (2010-10-06 22:36) 

collet

★シェルティさんへ
わぁ~ご覧でしたね!
わたしもちゃんと観ましたよ~~(*^^)v
それでまた思い出し、早速アップいたしました~♪

えっ、トロッコに乗ってモロッコに行きたいってか~~(~o~)
by collet (2010-10-07 14:39) 

履歴書バイブル

とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!

by 履歴書バイブル (2013-06-30 18:30) 

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