サハラの夜明けとある男・・・

さて、滞在４日目の朝はこのツアー最大のイベントがありました。
そうなんです！わたしがこの旅行を即決した１番の要因！
旅行社の窓口嬢が感動したと熱く語ってくれたサハラ砂漠で見る日の出です。

サハラ砂漠の入口にあるオアシス都市、エルフードのホテルを４ＷＤに乗って出発したのは、
まだ満天の星が美しかった真っ暗やみの早朝５時半でした。
４～５人で分乗した数台の４ＷＤは、まるでパリ・ダカールレースのように、
砂漠のデコボコの道なき道を疾走するがごとく、約１時間飛ばしに飛ばしたのです。
お陰で、右や左に体を揺らし、はたまた天井に頭をぶつけそうになりながら、
一生懸命手摺に捕まってなきゃいけませんでしたが、
どうにか無事に、サハラ砂漠の北端に位置するメルズーガ大砂丘に到着したのでした。
ただ、そこで終わりではなく、日の出のビューポイントまで３０分ほど、
砂漠の中を歩かなきゃいけなかったのです・・・

そんな真っ暗な星の光しかない世界で、砂に足をとられながら歩きだすと、
何処からともなく黒いジュラバ姿であろう人影が現れ、わたしの腕をとったのです。
もうビックリしたわたしは、えっ、ナニ！？この人ナニする気！？と、
顔を見ようとしましたが、とにかく真っ暗で何も見えません！
それで一瞬不安になったものの、片言の日本語で「こっち、こっち」と言うのを聞き、
ようやくわたしを導いてくれてるのだと理解したのでした。

そんなエスコートもあり、しばらくして目的地に着いたのですが、
着いた途端に、先ほどまで傍にいたその人影は何処かへ姿を消してしまい、
あれ？何処いったんやろ？と、不思議に思いながらも待つこと１０分ほどで・・・

うぅ～ん、感動ねェ・・・
これだったら小学４年生の夏休みに四国の剣山山頂で見たご来光の方が感動したなァ・・・
なんて、思いながらふと目を右に移すと・・・
ナント！刻々と変化する砂丘の美しいこと！！
ああ！これだったのだ！！と、ようやく気付いたのでした。

そして、飽きることなくしばらく見惚れていたのですが、帰りの時間となり、
またしても何処からか近寄って来るジュラバ姿の背の高い男がひとり・・・
近付いて来るのを見て、すぐにあのエスコートの主だろうと察したのですが、
目の前まで来て、よくよく相手の顔を見てビックリ！
あらまあ！見目麗しい～イケメン君ではありませんか！！
いやぁ～まるで映画の中にでも出て来そうなほどに整った容姿で、
モロッコ１のオトコマエに思えたほどでした。

ただ、残念ながら面食いではないわたしは、明るくなった帰りはもう助けも要らず、
スタスタ一人で歩いたのですが、その彼はずっと離れずに付いてきて、
到着するなりチップを要求されたのは言うまでもありません。
ましてや、ちゃんと往復分を・・・
それで受け取った後は、オバサンにもう用はないとばかりに、
そそくさとその場から消え去ったのでした・・・
ただね、今になって思うと、あの彼とはコレっきりではなかったような！？

砂漠に咲く名も知らぬ可愛い花

じつは、この帰りに現地での暮らしぶりを見学するという旅行社の企画があり、
あるベルベル人一家の暮らすテントを訪れたのです。
この家族は、遊牧民で４～５ヶ月すると、また違う場所に移動して暮らすとのことでしたが、
観光客をミントティでもてなし、また写真のモデルともなり、
チップを貰って生活の足しにしてるんですね。
それで両親と子供たち４人ほどがいたように思いますが、
その中の１０代半ば位だったでしょうか？将来はきっと美人になるであろう、
エキゾチックな風貌の１番年嵩の女の子が言葉は交わさずとも・・・
さあ、わたしを写してちょうだい。そしてチップを弾んでね！
と、大きな漆黒の目で言ってるように思え、わたしは何とも言えない思いに駆られ、
思わずカメラを引っ込めてしまったのでした。
なので、魅力的な彼女の写真は１枚もないのですが、何もせずにチップを渡すのもはばかられ、
お父さんの淹れてくれたミントティをいただき、写真も撮らせてもらったのでした。

でね、今頃になってこの１枚の写真を見るにつけ・・・
お父さんの隣にいる、多分長男であろうイケメンの彼のカメラ目線に気付き、
もしやして、砂漠をエスコートしてくれたあの彼だったのでは？と、
数分前のことながら、顔を全く覚えてないわたしとしては、
ふと気になっているのです・・・

行きと違い、帰りの道は揺れもなく～

そうやって、早朝の一大イベントも無事終わり、砂漠地帯とはオサラバして、
約５００ｋｍをひた走り、いよいよ迷宮の地フェズに辿り着き、
ホテルではこんなかわいいお出迎えがあったのでした。

やっぱ、被写体にはこちらの方がよろしいようで～～♪

タグ：モロッコ 旅行 旅日記 サハラ砂漠 メルズーガ大砂丘 エルフード 日の出

コメント 11

スケール大きいですね。素敵です。
小さなことでクヨクヨなんて
バカみたいに思えてきますね。
by よしあき・ギャラリー (2010-09-02 19:51) 

>>サハラ砂漠で見る日の出

壮大すぎます！そんなこと、思いつきすらしませんでした。
朝日の当たるサハラ砂漠、現実ではないかのような神秘的な感じがします。これ、本島に写真ですか？とじっと見つめてしまいました。チョコチップの乗ったコーヒーアイスクリームのようにも見えます（先ほどジャージー牛のソフトを目にしたばかりなので、甘いものを連想します）

写真を撮らせてもらうのもお金ですか・・・若干興ざめですが、そういう世界もあるのですね。
by Bonheur (2010-09-02 20:04) 

朝日に色を変えていく砂漠．．．見てみたいですね。

＞そんな真っ暗な星の光しかない世界で．．．何処からともなく黒いジュラバ姿であろう人影が現れ、わたしの腕をとった．．．

う、恐いですね。いくらそれが案内の人でも、事前の通知がなければ、私なら鞄を押さえ、逃げ出すところです。

＞将来はきっと美人になるであろう、エキゾチックな風貌の１番年嵩の女の子

の写真が見られないのはつくづく悔まれます。是非、もう一度モロッコに行って写真と撮って来てください！（その遊牧民家族、きっと、同じ場所にいると思います）。

by 雀翁 (2010-09-02 20:07) 

★猫屋福助（株）さんお立寄りありがとうございます～＾＾；

★よしあきさんへ
確かに広くて大きくて～～
人間、コソコソしててもショ～がない！
なんて、声が聞こえてきそうですね～(~o~)
by collet (2010-09-03 14:04) 

★Bonheurさんへ
＞チョコチップの乗ったコーヒーアイスクリーム
なるほどね～そう言われればそのような！？
ちなみに、そのチョコチップはお解りでしょうが、人とらくだです。
らくだのタクシーで砂漠を歩くのも楽しそうでした～～(^^♪

＞写真を撮らせてもらうのもお金ですか・・・
そうですね、アトラス山脈を境にして貧富の差をまざまざ見せつけられました。
その意味で、複雑な思いに駆られた旅でしたよ。


★雀翁さんへ
事前の通知ね～そう言えば、添乗員もガイドも何も教えてくれませんでした。
ただ、靴の中に砂が入り込むのでそれの注意ばかりで・・・

あっでも、雀翁さんはご心配要りませんよ。
彼らは男性には近寄りませんから～～(~o~)

それから、例の女の子も今じゃ一端の謎めいた女性になってるかも！？
そうなるともう、両親とは一緒にはいないかもですね・・・
なので、ご期待には添えないと思います～～(^^ゞ
by collet (2010-09-03 14:20) 

カップヌードルの昔のCMを思い出しました＾＾
by gwan3 (2010-09-03 21:10) 

★gwan3さんへ
カップヌードルの昔のCM？ありましたっけ？
どんなのだったっけ～～(?_?)

★たいちさん、こちらも覗いて下さりありがとうございます～～＾＾；
by collet (2010-09-04 11:46) 

サハラ砂漠の日の出、自分がその場に立つことなんて想像もできません。

モロッコの旅は忍耐と色々な意味での体力が必要みたいで、私のような軟弱モノには遠い世界・・・

貴重な体験記、とても面白いです。
by ジョージ (2010-09-09 16:04) 

ジョージさん、こちらにもコメントをありがとうございます！

わたしも普段はゆったりとした旅の方が好きなのですが、
サスガにモロッコまで行くのだからと欲張ってしまいました。
それでこんな過酷な体験記となっていますが、
久しぶりの仲間の多いツアーでの旅共々、
それはそれで、今となっては楽しい思い出となりました。

とにかく、思い出が多過ぎて、
こうやって記しておきたくなった程ですから～(~o~)
面白く読んでいただけたら嬉しいです～♪
by collet (2010-09-10 12:34) 

Reiさん、こちらにもありがとう～～＾＾；
by collet (2010-09-17 14:05) 

とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます！！
by 履歴書の書き方の見本 (2014-06-21 10:58)