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世界遺産~河回村その2 [韓国]

さて、翌朝は安東式ビビンバが昨夜のレストランから素敵なお膳で運ばれ、
早起きして早朝散歩をしたこともあり、とても美味しくいただきました。

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そしてその後、観光案内所へ出向き、昨日声を掛けてくださった
日本人ガイドのカズコさんに無料だというガイドをお願いしたのですが、
その前に、ちょっと世界文化遺産河回村(ファフェマウル)という名前について・・・

韓国語では村をマウルと言うそうです。
それで、河回村とは韓国南部一の大河である洛東江(ナットンガン)が、
村をS字を描くように囲みながら流れることから名付けられたそうです。
それが解りやすいように、頂いたガイドブックから地図をお借りしました。

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こんな感じで、本当に珍しい形だと思うのですが、
朝鮮時代にはすでに、風水地理学的にも人が住むのに最適な場所として有名だったそうです。
そして今では、韓流スターのリュ・シオンと同じ柳(リュ)姓の同姓村であり、
そんな両班(ヤンバン)と庶民が600年あまり代々古い家屋を守り暮らし続けているのです・・・

というわけで、カズコさんのガイドで先ずは蓮池のそばを通り、
村の北側にあたる北村を見て回ることになりました。
ちなみに南村は、残念なことに火災で建物の大半が焼失してしまったそうです。
それにしても、さすが高名な儒学者が誕生した土地柄ですね。
各家それぞれに、家人の思いや教えが込められており、それを聞くのがとても面白かったです。

たとえば、本棟は瓦屋根なのに、正門はわざと藁ぶき屋根にしている河東古宅
こちらは地方官を歴任したほどの両班家ですが、
世間の全てのことは隆盛の後には必ず衰退があるから、
決して欲を出さず常に努力する人間になれ
との教えを伝えるためのものとか・・・

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また、名門といわれる北村宅門間棟に作られた便所の扉を道側に付け、
通りすがりの人でも使えるようにした
とか・・・

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こちらではオンドルの仕組みを図解した絵があり興味深く見せていただきました。
それと、下の写真にあります瓦屋根の小さな塀は、
アンパンといわれる女性達の部屋の目隠しとしてどちらのお家にも設えてありました。

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樹齢600年を越える樫の木で村の中央にあるご神木の三神堂では、
元々は、子作りと子育ての神様のようですが、わたしは世界平和と健康を願い縄に結んだのですが・・・

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そしてこちらの養真堂は、河回村でも最も古い朝鮮時代初期に建てられた柳氏の大宗家で、
当時の生活規範に従い、男性と女性が顔を合わせないようにと壁を立てています。

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そうそう、上の写真の左部分は女性の部屋で、
何でも数日前に90歳を過ぎたお婆様が亡くなられたとかで、
軒と柱に縄が巻かれていたのですが、お解りでしょうか?

そしてこちらは、前日に見学した屏山書院の創設者である、柳成龍の住居の忠考堂です。
この居間に掲げられた「忠考堂」とは柳成龍の遺言の
我々がなすことができるのは忠義と孝行しかないだろうとの言葉によるものとか・・・

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また、ここの敷地には永慕閣という柳成龍の遺物展示館もあり、
わたしはとても興味深く見せていただきました。
中でも、以前から何で作られているのかずっと気になっていた、
両班の被る(カッ)という被り物が馬の尻尾で作られると知り、何ともスッキリしたのでした~[手(チョキ)]
それと琥珀や水晶でしょうか?笠の飾り物も展示されており、
時間があれば、もっとジックリと見たかったです。
なお、この「永慕閣」との字は暗殺された朴正凞元大統領の直筆だそうですが、
元は軍人であった朴大統領の達筆ぶりにも驚きました。

そして古宅訪問の最後は、1999年のエリザベス女王訪韓の際、
こちらの庭で歓迎レセプションが開かれたという、かのリュ・シオンの実家です。

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残念ながら今では以前のように扉は開けられてないそうで、戸の隙間から覗いたところ、
綺麗な芝生の立派なお庭のお家のようでした。
それと、大きな写真の右隅の塀に郵便ポストのような物がありますが、
あすこには、食べ物に困った貧しい人が自由に取り出せるよう穀物を入れた箱があるそうです。
ただ、一度にたくさん取り出さないように下の写真のように、口はわざと小さくなってますが・・・
それと余談ですが、見学者の中にはイケない人が多いんですね~[パンチ]
リュ・シオンの表札を持って帰っちゃう人が多く、いつも彼のだけは新しいんだそうですよ。

さてその後、この桜並木は同じ藁ぶき屋根の郷ということで、
河回村と交流のある白川郷からの贈り物だと教えられながら・・・

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最後に真向かいに見える芙蓉台(プヨンデ)からこの河回村を臨もうと、
カズコさんが渡し船の船頭さんに連絡してくれたのですが、あいにく船の故障とかで叶わず、
ならば遠回りになりますが車で行こうと相談の結果、
カズコさん自らが、我らの宿の管理人であるウッディーさんに頼んでくれたのです。
そして、ウッディーさんも快く引き受けてくれて~!有難いですね~~[揺れるハート]
お陰さまで数分間、遊歩道を息を切らせて登った末・・・
こんな素敵な景色を見ることができたのです~~[ぴかぴか(新しい)]

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残念ながら、写真では見辛いですが、
家の向きが一定ではなく、みんな川に向かって立てられているのもよく判り、
まるでかわいい箱庭のようでした。
いやぁ~ウッディーさん、カズコさんどうもありがとう~~[揺れるハート]

2月末の河回村・・・
確かに桜も何も花は咲いておらず、寂しくはありましたが、
昔ながらの草の色と土の色に素朴さと温もりを感じたわたしでした・・・

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と、ココで終ろうとしたのですが・・・来る時があのような珍道中!
このままスッキリと終わるわけがない~~[ふらふら]
というわけで、話はつづき・・・

ウッディーさんにお礼を言い、さようなら~と握手を交わし、
案内所でももう一度、ランチ中のカズコさんにお礼と挨拶を済ませ、
いざバス停まで行き、11時50分発のバスの後方座席に2人して並んで座れたのはいいけれど、
ハタと同時に気付いたのです~~[ひらめき]
「あれ?わたし達はいったい何処で降りたらいいの??」
ということで、急遽makiちゃんが案内所に電話したところ、
2件目にようやく繋がったカズコさんも
「あの人達、降りる所は解ってるのかしら?」と思ってたそうで~~[わーい(嬉しい顔)]
それでmakiちゃんが携帯片手に運転席まですっ飛んで行き、
カズコさんに「高速バスターミナルで降ろしてあげて下さいね」と運転手さんに頼んでもらったのでした。
そしてようやく、わたし達は安心してバスに揺られることとなったのですが・・・

電話を切ると同時にバスは動き出し、
その心地よい揺れとまるで春かと思えるようなポカポカ陽気で、
酔い止め薬を飲んでるmakiちゃんは勿論のこと!
行きと同じく消毒液を噴射された所までは覚えているわたしも
ついウトウトしてしまい・・・[眠い(睡眠)]

何やら人の声がすると目覚めたわたしはビックリ!!
バスは停まり、扉は開け放ったままで、
運転手さんが同じフレーズを繰り返し言ってるではないですか~~[がく~(落胆した顔)]
きっと「ソコのイルボン アジュンマたち、はよ降りなはれよ~着きましたで~~」
とかナンとかおっしゃってたんでしょうね。
それでサッと目が覚め、隣でスヤスヤお寝み中のmakiちゃんを揺り起こし、
満席の乗客の衆目をヒシヒシと感じながら
「カムサ ハムニダ~~[揺れるハート]」と大慌てで飛び降りたのでした~[あせあせ(飛び散る汗)]

で、降り立ったわたしの目の前にあったのがコレなのですが・・・

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ココは一体何処なんでしょうね?
周りを見渡しバスターミナルを彼方に捉えた以上、
きっとこのバス停の反対側には河回村行きのバス停があると思うんだけど!?
最終章のソウル編へとつづく・・・

あしあと(14)  コメント(17) 
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あしあと 14

コメント 17

まぐろ

ワクワクドキドキしながらすっかりと
読みいっていました(^∇^)
素晴らしさが伝わって来ます。
これはただソウルだけ訪れていたら分からない韓国の顔ですね。
by まぐろ (2011-03-03 18:15) 

よしあき・ギャラリー

魅力的ですね、かなり本気になってきました。^^
決して欲を出さず、常に努力する人間を目指します。^^;
by よしあき・ギャラリー (2011-03-03 19:25) 

雀翁

韓国に3年以上、20年前のを入れれば6年ほど住んでいるのに、そんな素晴らしい所があるとは露知らず。暖かくなったら出かけて見ようと思います。

世襲身分制度のヤンバンという階級には若干の思うところがありますが、彼らの生き方・人生観には学ぶところが多いようです。

今回も、イルボン・アジュンマの実力を発揮されていますね。運転手さんも往生したことでしょう。異国での旅はいろんな人のサポ-トで成り立っているのだなということがよくわかります。また、そのサポ-トを呼び込めるのもお人柄の為せるわざですね(よいしょっと)。


by 雀翁 (2011-03-04 08:45) 

たいちさん

珍しい地形の場所ですね。日本人の案内役がいて良かったですね。
by たいちさん (2011-03-04 10:54) 

collet

★Reiさんポチッとありがとうございます~^^;

★まぐろさんへ
ワクワクドキドキしていただき、ありがとうございます!
わたしは元々、歴史が好きなもので、
こういう所はとても興味があるんですよね。
その意味でも、本当に行って良かったです~~(*^^)v
by collet (2011-03-04 15:11) 

降龍十八掌

楽しい珍道中でしたぁ~。また、新たな珍道中も期待しちゃいますぅ~。

もしかして運転手さんは、
パリパリ!
っていってませんでしたか?ドラマでよく聞く、急いで!という意味ですね。
by 降龍十八掌 (2011-03-04 15:30) 

collet

★よしあきさんへ
よしあきさんなら、スケッチブックを片手にお出掛けでしょうね!
きっと、あちこちが絵になると思いますよ~
うぅ~ん、楽しみだわ~~(^^♪


★雀翁さんへ
わたしもここを知ったのは、4年ほど前に友人のブログを見てからでした。
それでその時から、行ってみたいと思ってたんですよ~
ところで、ソウルからなら日帰りもできますが、
ここはやはり、1泊がおススメですね~!(^^)!
で、もしカズコさんにお逢いになることがあったら、
我々が感謝し、宜しく言っていたとお伝えくださいませ~~♪

いくら世襲制度の両班でも、科挙に通らなきゃどうしようもないわけで、
当時は携帯はなくとも、賄賂がまかり通っていたようですね。

>運転手さんも往生したことでしょう
そうでしょうね・・・何度も繰り返していたようですから~(>_<)
もう立った途端に皆さんの目が一斉にこちらに向かい・・・
あ~恥ずかしいったらありゃしない~~

で、、、エライ重たいメをさせてスミマセン~~(^^ゞ
by collet (2011-03-04 15:53) 

collet

★たいちさんへ
最近は日本も多くなりましたが、
韓国の方が無料のツアーやガイドが多いように思います。
そういう点は、見習ってほしいものです~(-"-)

★あんぱんち~さん、お立寄りありがとうございます~^^;

★降龍さんへ
お楽しみいただけたようで、良かったです~(~o~)

ところで、パリパリ!はなかったように思います。
でも、後ろの方に座っていたもので、大声は出してたでしょうね・・・
とにかく、いろんな方に助けられた旅で感謝!感謝!!です~!(^^)!
by collet (2011-03-04 16:04) 

わか

こんばんは。
復活の「わか」です ♪ えへへっ (*^_^*)
藁の色合いが良いですね~
ジーッと見つめていたら、フワフワのソフトクリームに見えてきました (^_^;)
あっ、立春大吉と大きな札が貼られた扉、
右側のお札にはどんな文字が書かれているのでしょうか?
もし、写真で確認できるようでしたら、教えて下さいませ。

by わか (2011-03-04 20:19) 

dolfin

すごく広々としたところで、静かだったんですねー。
最後の写真を除けば人の気配がありません。
人がたくさんいるところより、誰もいない方がそこに入っていけるような気がしました。
とりあえず、無事に戻ることができましたね(^-^)。
by dolfin (2011-03-05 09:34) 

collet

★わかさんへ
おかえりなさい~~(^o^)/
いえね、時々現れては消えるものだから!
どうしちゃったのかと心配してたんですよ~~(~o~)

で、藁なら紅茶風味のソフトクリームかしら?
何だか美味しそうですね!

それからお訊ねの札の字なのですが、解りません~(>_<)
ごめんなさいね~~!


★dolfinさんへ
ソウルに比べれば、ウンと田舎なうえに、
バスターミナルは郊外に移転してるので、余計ですね。
ああでも、河回村は世界遺産になってから、観光客がウンと増えたそうなので、
これからのシーズンは人で溢れるんじゃないかしら?
by collet (2011-03-05 16:17) 

maki

こじんまりしていて、一泊にちょうどいい規模の村でしたね。
あとで資料を見たら忠考堂は「あまり見せたくない南村」にあったんですね。
どこが燃えちゃったのか気になりました。

それにしても今思い起こしても長閑だったなぁ~
あの平和な雰囲気も気が好い場所だからなのかしら^^
by maki (2011-03-05 18:16) 

ジョージ

ハプニングもいろいろあったけど人情にも出会えた楽しい旅でしたね。

ところで、河回村の地形ですが、スペインの古都トレドもタホ川が市街をぐるりとまわっているので結構似ていますね。
河回村も古い街ですが、トレドも古代ローマ時代から要塞都市として栄えた街で、今も中世の面影が残っています。

(トレドの風景については、昨年私のブログでもご紹介していますので、ご興味があればどうぞご覧ください。

http://ayapandafuldays.blog.so-net.ne.jp/2010-11-26


by ジョージ (2011-03-07 10:53) 

collet

★makiちゃんへ
わたしが買った小さい本があったでしょ、
あれによると・・・
1954年の火災で南村宅の母屋と居間がなくなったんですって~
で、忠考堂は被害はなかったようですね。

それから、建物の雰囲気などはまた違うけど、
あの土塀の道を歩いてると山口県の萩を思い出しました。
同じ様な土色の土塀があり、何だか懐かしさも感じました。
やはり、お隣の国で似てますね~~(^^ゞ
by collet (2011-03-07 10:54) 

collet

★すーやんさん、こちらにもお立寄りありがとうございます~^^;

★ジョージさんへ
本当にいろんな方に助けられ、楽しく充実した旅をすることができました。
もう、感謝!感謝!!ですね~

で、、、トレドが似てるんですか~~(@_@;)
まあ、それは知りませんでした!
あとで、お邪魔させていただきますね~~(^^ゞ
by collet (2011-03-07 11:44) 

sarahe

colletさん、アンドン式ビビンパッのなかに入っているものですが「トラジ=キキョウの根」はありませんでしたか?写真で見ると、右上の薄黄色の長い菜がありますが、それがトラジかな~と思って見てたのですが。

下宿でアジュンマが「トラジ」を塩で揉んで、そして油で軽く炒めて食べさせてくれたのですが、「トラジ=キキョウの根」だとは知らずにいました。質問を何回かして、漸く分かったのです。
日本に持ち帰りたかったのですが・・・

アンドンやキョンジュの郷土料理は質素ですね。やはり内陸ですし新鮮な海のものは無いけれど、質素のなかにも昔の都があったり貴族の出身地だったりで、料理に趣が感じられますね。
by sarahe (2011-03-08 21:34) 

collet

★mint_teaさんこちらにもポチッとありがとう~~^^;

★saraheさんへ
サスガですね~saraheさん!
おっしゃるように、トラジのようですよ。
韓国料理に疎いわたしは漢方の薬草みたいだな~と、
全く解らずにいただきましたが、今、調べましたら、正しくソレでした。
で、やはり日本にはないようですね!?

ところで、「トラジ」という言葉で思い出し調べましたが・・・
トラジ~♪トラジ~~♪って、アリランと同じ様に有名な歌がありますでしょ、
わたしも子供の頃、耳にして覚えていたのだけど、
アレもこの桔梗を歌った歌なんですってね!
でもって、「アリラン」と朝鮮2大民謡なんですって~(^^♪

ふぅ~ん、そっか・・・キョンジュのお料理も質素なんですね~(-"-)
by collet (2011-03-09 13:15) 

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