辛抱のアトラス越え

そして２３日の朝を迎え、午前中はマラケシュ市内の観光となり、
先ずは延々とオリーブ林が続く、メナラ庭園へ行きました。
12世紀のムワッヒド朝時代に造られた貯水池のある広大な庭園で、
当時はスルタンたちのデートスポットでもあったとのことでしたが、
別にさしたる見所もなく、わたしのカメラには
日本のより数倍も立派な葉のオリーブの写真が残されただけ・・・

その後、旧市街へ移動し、サーディアン朝の霊廟やバヒア宮殿など、
入口までは行ったけど、何故だったか内部には入れず残念だったのを覚えています。
ただ、街中を歩くだけでも遠い異国の地へ来たのだというのは充分実感でき・・・

塀の上にはコウノトリの巣が・・・

こうやって旧市街の散策後、先を急ぐ我々はバスに乗り、いざアトラス山脈を越え、
その南側に位置する約２００キロ離れたワルザザートを目指したのです。

朝方はヒンヤリしていたのが徐々に温度も上がり、まるで春の陽気かと思えるような午後、
延々と咲き続ける道端のサボテンを見ながらバスに揺られ、

途中、土の住居に暮らすベルベル人経営で、見晴らしが素晴らしいドライブインに立ち寄りました。
そしてここで、ビールを売っているのを見付けた姉が「どう？飲む？」と聞いてきたのですが、
何分、トイレのないバスなもので「要らない」と答えたわたしはエラかった！？
だって～その後、大変な事態に遭遇することになるんですモン・・・

そのドライブインを出て快適に３０分程走ったところ、
急にスピードダウンしたかと思うとわたし達のバスは、ピタッと停まってしまったのです。
それで中ほどに座っていたわたしは、どうしたのかと座席から身を起こし前を見ると、
あらまあ～こんな山中で渋滞を起こしてるではないですか！！

でね、この時は、まあその内動くだろうと思いつつ・・・訳が分からず１時間が過ぎ、
その内ポリスがやって来て、数台前のタンクローリー車が事故ったことが判明し、
悪い事に、そのタンクローリーが危険物を搭載していたために、
事故処理に２～３時間はかかると言うのです！

さて、そう聞かされて、一瞬にして顔面蒼白になった女性がひとり・・・
先ほどのドライブインで、美味しそうにビールをお召し上がりだったその女性、
自然の法則で、もう我慢ならないと今にも泣き出しそうなお顔です。
それで、歩いてでも先ほどのドライブインまで引き返そうかとお話でしたがそんな時、
後部座席でいつもガイドの話も聞かず賑やかにお喋りなさってたオバサマ方がスックと立ち上がり、
「わたし達で囲いを作るからその中で済ませなさい」とおっしゃったのです。
あらまぁ～サスガ年の功といいましょうか！？
ちょうど片側は山ですし、誰の目もないのも幸いと、暑くて脱いでたジャケットを手に、
バスを降りて少し斜面を登り、わたし達もお手伝いした次第です。
いやぁ～モロッコまで来てこんなお手伝いをするなんて、夢にも思いませんでしたが、
今になってみると・・・アトラス山脈といえば、これを１番に思い出すのでした・・・

そんなハプニングがありながら、ようやく４時間後にバスは動き出し、
対向車が延々と続くのを見て、いかにこの４時間が長かったかを痛感し、
最初の村のドライブインらしきところで、停車したバスから我先にと１番に飛び降りたのは、
誰あろう！このわたしだったのでした・・・

そしてこの後、道は益々険しくなりスペクタクルでダイナミックな山岳ルートそのものとなり、
ようやく、このオート・アトラスの最高地点であるティスカ峠（２２６０ｍ）に到着したのです。

ティスカ峠から見たアトラスの峰々

そんなハプニングのお陰で、ホテルへ行く前に寄る予定だった
世界遺産アイト・ベン・ハッドゥー観光はあくる朝への変更となり、
真っ暗闇の中、バスはワルザザートのホテルを目指したのでした。

わたし達の部屋の可愛いインテリア、でもゆっくりする間もなく・・・

タグ：旅行 モロッコ マラケシュ 世界遺産 メナラ庭園 アトラス山脈 オート・アトラス ティスカ峠

コメント 13

大変な苦労して行かれたのですね。
by たいちさん (2010-08-25 15:16) 

遠い国の夢の王子スルタンというイメージがあります。
アトラス山脈では大変でしたね～。
こんな山奥ふかくに大渋滞とは何ともトホホなお話です。
モロッコ、あこがれます。
私はモロッコ料理がすきでクスクスやチキンのタジンを時々家で作ります。
レモンのコンフィーが美味しいと格別です。（又食べ物の話失礼しました）
by まぐろ (2010-08-26 04:05) 

こんなところにも渋滞があるなんて～ｗ￣＿￣ｗ

それにしてもどこを撮っても絵になる景色ですね～＾＾
by maki (2010-08-26 07:44) 

外国、しかもアフリカですから、のざらしトイレぐらい堂々とできたんじゃないんですかぇ～？（笑）


by 降龍十八掌 (2010-08-26 09:08) 

オリーブ林なんですかｱ。
ジューシーなオリーブオイルが採れるんでしょうねえ。
モロッコも山岳地帯があるんですね。
山の写真に写っているのは雪なんですか？
ただ、景色を見て爽快な気分とは裏腹に、予期せぬアクシデントがあったのですね。
ビールを飲まれなかったのは幸いでしたね。
by dolfin (2010-08-26 11:17) 

★macaroniMANさんお立寄りありがとうございます～＾＾；

★たいちさんへ
はい～そんな苦労でも今となってはイイ思い出です～～(^^♪
by collet (2010-08-26 11:52) 

★まぐろさんへ
まぐろさんならすでに、モロッコへも行かれてるのでは？
と思ってたけど、まだでしたか～～
でね、何でも大変な思いをしたことはいつまでもよく覚えてるものですね・・・

＞私はモロッコ料理がすきでクスクスやチキンのタジンを時々家で作ります
ああそうなのね・・・
わたしも本格的のじゃなく、自分なりに家で作ればいいのかも？


★makiちゃんへ
この日はフランスのアトラス横断カーレース？の開催中だったようで、
一段と車の量が多かったようです。
それから、見慣れない景色でバスに乗ってても飽きなかったですね～～(^^♪
by collet (2010-08-26 12:42) 

★降龍さんへ
うひゃひゃひゃひゃ・・(~o~)
そうそう！旅の恥は掻き捨てって言いますものね～～
あっでも、この車の量ですからね、堂々というわけにはいきませんよ！
やはり、枯れても？大和撫子ですモン～(>_<)


★dolfinさんへ
おや？夏季休暇に入ったようですね！？
疲れが溜まる頃ですからどうぞごゆっくりなさって下さいね！

＞モロッコも山岳地帯があるんですね
あります！あります！！モロッコからチュニジアにかけてありますよ～
それでモロッコでは標高３，０００ｍ級の山が連なってます。
で、白いのは雪です。
とにかく、片側は断崖絶壁で所々、ガードレールもないような道を走り、
オッカナカッタのを覚えてます～～(>_<)
by collet (2010-08-26 13:06) 

★長瀞清流さん、こちらまでお立寄りくださりありがとうございます！
by collet (2010-08-27 12:57) 

一人でこっそりするか、みんなにも守られながらするか．．．難しい選択です。将来、アトラスの峠を越えることがあっても、決してビ－ルは飲まないようにします。もし、ビ－ルでお腹をこわしでもしたら．．．恐くて想像さえできません。

by 雀翁 (2010-08-31 19:34) 

★よしあきさん、ポチッとありがとうございます～＾＾；

★gwan3さんもありがとうございます～～(^^ゞ

★雀翁さんへ
＞一人でこっそりするか、みんなにも守られながらするか．．．
写真にもありますが、１人でこっそりするのにも、
ハゲ山状態なので木陰も何もないのです。
ですからみんなして、してる本人には後ろ向きとなり、ガードしたのです。
それから、アトラスに関わらず、長時間のバス乗車の折には、
わたしのように、決してビールの誘惑には屈さないことをおススメします～～(*^^)v
by collet (2010-09-01 13:44) 

何百キロもバスで移動のハードな旅ですね。
ｃｏｌｌｅｔさんらしくない周遊ツアーですけど
イスラム圏でアフリカだと個人ツアーって大変ですものね
私も、トルコへ行ってみたいけど
旅行のチラシって「周遊」しか見当たらない
でもこの回では、ビールの悲劇が頭から離れません(笑)
わたしなら、囲ってもらっても、止まります・・・

↑お惣菜の載ったお皿、日本の絵柄に見えますが？
その下の矢印の写真、女性用・男性用に見えてしまいます。
トイレにこだわりすぎ？(笑)
by シェルティ (2010-09-01 23:45) 

★シェルティさんへ
そうなんです～とにかく遠いし、２度あるかないかということで、
ツアーにしたのですが、正直言って疲れました～(>_<)
ただね、沢山の人と一緒なので、
こうやって後々まで語り草となる出来事もあるわけで・・・
それを思うと、面白かったね～と姉と話してます～(~o~)

＞↑お惣菜の載ったお皿、日本の絵柄に見えますが？
コレね、わたしも思いましたよ～～
色合いが何となくね！
by collet (2010-09-02 17:10)